タイトル:THE RULES OF THINKING
著 者 :リチャード・テンプラー
出版社 :ディスカヴァー・トゥエンティワン
発行日 :2021年3月20日
逆境を乗り越えるためのルール
問題と自分を切り離して考える
失恋しても、離婚しても、希望の職に就けなくても、自分の全人格が否定されたわけではない。
パートナーと別れたからといって、人生が失敗だったわけではない。
自分にとって結婚生活がどんなに大切なものだったとしても、結婚と自分はまったく別なものである。
目の前の問題とは関係ないところにある「自分」を思い出してみる。
問題が起こっても大騒ぎしない
問題が起こったとき、変えられるものを変えるのは大切なこと。
しかし、自分の力では変えることができない問題もたくさんある。
どうしても避けられない問題もあれば、すでに過去のことになっている問題もあるはず。
変えられない問題は、遅かれ早かれ受け入れるしか道はない。
そこで初めて、人は次の段階に進むことができる。
自分の力でコントロールできることがひとつあるとすれば、それは、その事実をいつ受け入れるかということだけである。
健全な思考を養うためのルール
ストレスを感じるかどうかは自分で選ぶ
解決できる問題なら解決する。
そして解決できない問題なら、あれこれ心配してもしかたがない。
だから何も考えない。
わざわざ自分にストレスを与えて、問題を悪化させる必要なんてどこにもない。
「普通」は普通ではない
人と違うと非難してくる人がいても気にする必要はない。
大切なのは、あなたの違いをおかしいと思うのは彼らの問題であり、間違っているのは彼らである。
人は誰でも、なりたい自分になる権利がある。
ただ人に迷惑をかけなければいいだけである。
自分の感情を把握する
最初のステップは、自分の感情を正確に把握すること。
感情を客観的に眺められるようになると、感情という一時的な現象を、本当の自分から切り離すことができる。
自分の感情を把握できたら、今度はその感情が生じた理由を考えてみる。
感情の理由を解き明かすと、自分の気持ちを落ち着かせることができる。
逆の視点から考える
他人から無礼な態度をとられた、失礼なことを言われたと感じたときは、すぐに結論を出してはいけない。
つねに他の可能性も吟味する。
相手は違う意味で言ったのかもしれない。
無礼に見える態度には何か理由があったのかもしれない。
言葉の選び方を間違えて、言おうとしていることがうまく伝わらなかったのかもしれない。
疑いようのない確かな証拠がないのなら、相手が無礼だと思うのは間違っている。
そうでない可能性も十分にあるのだから、そうでないと思っていたほうがずっと幸せになれる。
意思決定のためのルール
制約を外して考える
すべての成約に「なぜ?」と疑問を投げかけることを習慣にする。
すべての成約をひとつずつ検証していくと、なくなったり、姿を変えたりするものもある。
妥協できるようになる
完璧でないものでも受け入れる覚悟がないと、結局は何も手に入らない。
正しい意思決定のプロセスで、妥協は大きな位置を占めている。
まず必要な妥協点を見つけ、自分がどこまで妥協できるのかを決め、そしてどの分野で妥協するかを決める。
そして最終的な決断をする前に、自分の譲れない条件も知っておく必要がある。
後悔はエネルギーの無駄づかい
実際のところ、違う決断をした場合の結果は誰にもわからない。
起こったかもしれない出来事の可能性は無限にある。
どんな決断をしたのであれ、他の決断のほうが悪い結果になる可能性はつねにある。
また、過去の決断によって実際につらい思いをしているとしても、「そのつらい経験があるからこそ、今のすばらしい人物になることができた」と考え方を変えてみる。
どんな結果になっても、その経験から学んで成長すればいい。
先延ばしを正直に認める
「意図的な先延ばし」以外のケースでの先延ばしは、ただ決断から逃げているだけ。
言い訳するヒマがあったら、さっさと決めてしまうほうがいい。
目の前の問題を直視し、まだ決断していない理由を正直に認める。
そして必要な行動を起こす。