タイトル:自分の時間を取り戻そう
著 者 :ちきりん
出版社 :ダイヤモンド社
発行日 :2016年11月25日
「生産性」とは
忙しすぎる人が陥っている問題は大きく分けて4つに分類される。
①長い時間、働くことによって、問題を解決しようとしている
②すべてのことを「やるべきこと」と考え、全部やろうとしている、なにもかも完璧にやろうとしている
③不安感が強すぎて、NOと言えなくなっている
④「とにかく頑張る」という思考停止モードに入ってしまっている
これらに共通している本質的な問題は「生産性が低すぎる」ことにある。
インプットを理解する
個人にとっての希少資源の代表的なものは「時間」と「お金」。
忙しすぎる生活から抜け出すため、そして生活の生産性を高めるためには、今の自分にとってはなにが希少な資源なのか、それを正確に理解すること。
そして、その使い方(インプット)に敏感になること=むやみに無駄遣いしないことが第一歩となる。
時間という希少資源は見えにくい
会社の近くに引っ越すことによって通勤時間を減らすメリットよりも、それに伴い高くなる家賃のほうが圧倒的に想像しやすい。
つまり、「時間」は「お金」に比べてその価値が見えにくい。
従って、多くの人が「時間よりお金が大事」だと誤解してしまう。
今の自分にとっての希少資源は何か
「時間よりお金が大事」だと誤解してしまうと、見えやすいお金のほうが見えない時間や、時には見えない自分の健康より、はるかに大事にされてしまうことになる。
「今の自分にとっての希少資源は何か」という前提を間違っていると、一番大切なものを犠牲にして二番目に大切なものを守ることになってしまう。
希少資源に敏感になる
希少資源である時間を大切にするためにもっとも気をつけるべきことは、自分の時間を簡単に売らないこと。
残業代を得るために時間を売るのがよくないのは、「お金が手に入るなら、人生の時間が減っても気にならない」と、自分の時間(=人生)がどんどん「お金のために売ればよいもの」になり下がってしまうから。
働く時間を減らす
生産性は、「インプット=希少資源」と「アウトプット=手に入れたい成果」の比率、つまり、生産性=得られた成果/投入した希少資源となる。
アウトプットを上げる方法を「インプットを増やす」ことに頼ってしまうと、投入できるインプットが物理的な限界に達した時点でアウトプットを上げることはできなくなる。
つまり、残業(=インプットを増やす)に頼って仕事を回している(=アウトプットを上げる)人はいずれどこかで行き詰ってしまう。
従って、「インプットを増やさずにアウトプットを上げる」または「インプットを減らしてアウトプットを維持する」が目指すべき生産性の上げ方である。
ただし、インプットが簡単に増やせる環境においては生産性を高めようとはなかなか考えない。
つまり、生産性を上げるためには無理やりにでもインプットを減らすことがカギになる。
「インプットが増やせないので生産性を上げるしかない」状況に自分を追い込むことで、初めて真剣に「生産性を高めねば!」と思えるようになる。
生産性を意識する
人生の選択、仕事の進め方を考えるとき、なにをやるにしても自分の貴重な資源を最大限に有効活用できる生産性の高い方法を見極める方法を身につける。
ひたすらに自分の時間を投入し続けたり、不便な(生産性の低い)商品を使い続け、自らの希少資源である時間やお金を浪費してしまうのではなく、「生産性が高くなることの価値」を理解する。
決して「一生懸命頑張る」こと自体は悪くない。
しかし、「頑張らなくても高い成果が出せる方法を考えつくほうがすばらしい」ということを理解すべきである。