【ネタバレ】バカのための思考法 #16

タイトル:バカのための思考法

著 者 :浅村 正樹

出版社 :クロスメディア・パブリッシング

発行日 :2021年11月1日

思考停止という快楽

バカとは「他人思考・他人価値観」で生きること

「他人思考・他人価値観」とは、自分の意見や考え、ベースとなる価値観を持たずに、誰かに決意・決断してもらいたいと思う生き方のこと。
誰かの価値観に便乗して決意・決断することを望む生き方のこと。

現代の日本人に見られる「他人思考・他人価値観」の生き方に大きな影響を及ぼしたものは、「GHQによる教育改革」と「プロパガンダを創り出すテレビ・新聞」。

GHQによる教育改革

GHQの最大の目的は、日本の非武装化と日本人を骨抜きにして二度と欧米諸国に歯向かわせないことであった。
その目的のもとで実施された施策のうち、最も日本民族を骨抜きにするための政策が教育改革であった。

戦前までの日本では、物事の成り立ちや現象について「なぜ、そのようになるのか。それがどのような結果を招き、未来にどんな影響を及ぼすのか」といった物事の系統や論理を学ぶ「系統学習」が重視されていた。

ところが、戦後の教育では、求められた答えを正確に答えることができるかどうかを重視する「問題解決型学習」が基本となった。
従って、大量に暗記して答えを詰め込むことが学習の柱となった。

知識を教わるだけの授業では、「なぜ自分の意見を持つべきか」「どうすれば自分の考えや価値観に気づけるのか」ということは教えてはくれない。
それよりも、教えられた通りにすることや周囲の人と同じようにすべきという価値観を教えられる。

GHQは教育改革により、ルールや規律をしっかり守り、自己主張は控え目で、常識から「はみ出さない」生き方が正しいという価値観を与え続けてきた。
そして見事に「他人思考・他人価値観」で生きる日本人を大量生産することに成功した

マスコミの影響

私たちの頭の中にある価値観は、テレビや新聞などのマスコミによってミスリードされて創られた価値観である。
私たちは、背景にある情報は知らされないまま、マスコミが創り出す特定のプロパガンダを信じ込んで暮らしている

なぜなら、テレビや新聞こそが、他人思考・他人価値観という「与えられ脳」の欲求を満たしてくれるものだからである。

テレビをつければ、
・何が良くて何が悪いかのか
・休日はどこに出かけるべきか
・健康のために何を食べなければいけないか
を自分で考えなくても代わりに決めてくれる。

問題はそれを自覚している人が少ないことである。

マスコミの本質

不安を煽られたい国民
私たちの多くは、なぜわざわざ不安を煽るようなニュースを見てしまうのか。

それは、私たちは、生命維持の欲求により、根本的にネガティブ思考であるため。
「不安」が大きくなるほど「安全・安定の欲求」が高まる(=気持ちいい)ため。
つまり、「不安を煽られる」ことが気持ちいいのである。

不安を煽りたいマスコミ
テレビや新聞というものの本質は、「広告」のプラットフォームである。
そして、国民が「不安を煽られたい」ので、国民の不安を煽れば煽るほど視聴率が高くなり、「広告」のプラットフォームとしての需要が伸びる。

従って、マスコミにとっては「煽る」ことが仕事になる。
良い・悪いの話ではなく、煽ることによってマスコミは食っていける。

ニュースの役割
「煽る」ことが仕事であるマスコミが報じるニュースの役割は真実を報道することではない。

そもそもニュースとは自然に発生するものではない。
世の中で起きた出来事を意図的に切り取って、さらにどのように見るべきかという視点を与えて初めてニュースになる。

つまり、ニュースとは誰かの「意図」なのである。
それらは確かに現実に起こった「世界の真実」ではあるが、私たちが目にするのは、誰かの意図によって「編集された世界の真実」なのである。

それに気付かずに、何も考えないままキレイに操られている人が圧倒的に多い。

マスコミの本業
ニュースに限らず、新聞やテレビの本業は真実を報道することではなく、権力者のためのプロパガンダを行うことである。

一方で、受けとる私たちが無思考・無自覚であるほど、新聞・テレビは容易に世論誘導を仕掛けることができる。
つまりマスコミが「マスゴミ」なのは、私たち国民が「バカ」だからである。

いつの時代でも、優秀な支配者は大衆が賢くならないように気を配っている。
だから、まずは「何も考えずに生きている」という自覚を持つこと。
それが主体的に自分の頭で考えることの第一歩である。

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