タイトル:神モチベーション
著 者 :星 渉
出版社 :SBクリエイティブ
発行日 :2021年12月22日
3種類のやる気
やる気を自由自在にコントロールできるようになるために、まず知らなければならないこと。
それは、「やる気は3種類ある」ということ。
そして、やる気をコントロールしている人は「3つ目のやる気」を使っているということ。
1.ハイモチベーション
一番危険であるにもかかわらず、多くの人が頼ろうとしている危険な「やる気」。
「よっしゃー!!今日も仕事をバリバリ片づけるぞ!!」という、やる気マンマンで鼻息が荒い状態。
しかし、急激に上げたモチベーションは下がりやすい。
「なんか、やる気なくなっちゃった」「いつも続けられないんだよね」というのは、まさに「ハイモチベーション」の餌食になってしまった例である。
短期的には「ハイモチベーション」はいいかもしれない。
しかし、「自分の目標を実現する」「今の自分を変える」となると、継続した行動が必要になる。
そうなると、短期的である「ハイモチベーション」はオススメできない。
2.アクションモチベーション
「やる気があるから、動けるのではない。動くから、やる気が出るんだ」
「つべこべ言わずに、手を動かせばやる気が出てくるから、まず動いてみろ」
これは、科学的には正しい理論である。
行動することによって、偏桃体というやる気物質を出す脳の部分が刺激され、やる気が出る。
この「アクションモチベーション」は科学的には正しいが、動き出すまでのハードルが高いという難点がある。
その「動き出すためのやる気」が欲しくて悩んでいるわけなので、超人的に意志が強い人以外は、「アクションモチベーション」に頼るのは現実的ではない。
3.ギャップモチベーション
これこそが、自分の人生を思いどおりにするために、身につけるべきやる気。
「ギャップモチベーション」とは、ひと言で表すと「ギャップを埋めたい気持ち」。
私たちの「脳」は、ギャップを感じると自動的にそれを埋めようとする習性がある。
打ち合わせに遅刻しそうな時に「やる気を出して」急ぐ人はいない。
「このままだと遅れてしまう、やばい!」と「勝手に」やる気が出て、「気がつくと」急ぐという「行動」をしているはずである。
この、
・遅れてしまいそうになっている「現実」
・時間どおりに間に合う「理想」
のギャップを少しでも埋めようと勝手に動いている状態こそが「ギャップモチベーション」である。
ギャップモチベーションには、やる気を出すとか、出さないとかは存在しない。
「ギャップを感じれば」、私たちの意志とは関係なく「脳が勝手にやる気を出して」行動してくれる。
要するに、やる気になるためには、根性や気合いで「やる気を出す」のではなく、「脳にギャップを感じさせる」ことが大事になる。
やる気を出すのは、自分自身ではなく、行動の指示を出す「脳」である。
2種類の記憶とのギャップ
ギャップモチベーションによる「やる気」は、「現実」と「記憶」のギャップを埋めようとして生まれる。
未来記憶
「未来記憶」とは、「強い感情(=こうなりたい)と一緒に想像した未来の姿」。
私たちの脳は、明確に、鮮明に、そして強い感情を伴って、
「こうなりたい!」
「これを実現したい!」
ということをイメージする、もしくは体験すると、それが実現していなくても未来記憶として保存してくれる習性がある。
そして、その未来記憶と現実とのあいだにギャップを感じると、脳が勝手に動き出す指示を出してくれる。
この未来記憶のつくり方にはポイントは3つ。
① イメージ、音声、感情、動作、の4点セットでつくる
② ①を何回も思い出し体験する(最低5回以上)
③ ②を毎日繰り返す。
過去記憶
過去記憶とは、文字どおり、過去の自分の記憶。
過去の記憶と現実とのギャップも、ギャップモチベーションが生まれるきっかけとなる。
この過去記憶からギャップモチベーションを生み出せるようになるうえで、最も大切にしなければいけないこと。
それは「体験の数」を増やすこと。
体験の数が増える → 過去の記憶が増える → 「あのときはこうしていたのに、今回はまだやっていないな」とギャップを感じる数が増える → ギャップモチベーション(=やる気)が生まれる機会が多くなる
従って、体験の数を増やすことは、やる気の数を増やすことにつながる。