タイトル:エッセンシャル思考
著 者 :グレッグ・マキューン
出版社 :かんき出版
発行日 :2014年11月17日
エッセンシャル思考とは
やるべき仕事が多く「何もかもやらなくては」と考えてしまいそうな時に大切になるのがエッセンシャル思考。
エッセンシャル思考とは、より多くのことをやりとげる技術ではなく、正しいことをやりとげる技術である。
エッセンシャル思考の狙いは、自分の時間とエネルギーをもっとも効率的に配分し、重要な仕事で最大の成果を出すこと。
エッセンシャル思考を理解すれば、やることを減らし、人生をシンプルにして、本当に重要なことだけに集中できる人生を目指すことができる。
エッセンシャル思考を身につけるためには、「やらなくては」「どれも大事」「全部できる」という3つの思い込みを克服する必要がある。
基礎となる考え方「選択」
「何もかもやらなくては」「何の選択肢もない(どうしようもない)」と感じた時に、選択肢を考えようとしない、言われたことをやるしかないと思い込んでいると、いつの間にか誰かの言いなりになってしまう。
そうではなく、常に「選ぶ」という行為に自覚的になる。
選ぶ能力は誰にも奪えないのに、本人が手放してしまっているだけであるという事実に気付く。
選ぶ権利を手放すことは、他人に自分の人生を決めさせることになってしまう。
自分自身の選択を取り戻したとき、初めてエッセンシャル思考が可能になる。
基礎となる考え方「ノイズ」
努力が無駄だと言うことはないが、努力には限界もある。
すでに限界まで働いているのに、さらに労働時間を増やしたところで成果は上がるはずがない。
つまり、努力の量が成果に比例するとは限らないことは事実である。
従って、ひたすらに努力するのではなく、「より少なく、しかしより良く」努力すべき。
そのためには、大多数のものごとを重要だと考えるのではなく、大多数のものごとは不要(=ノイズ)だと考える。
「全部やらなくては」という思考から抜け出し、本当に重要なものを正しく見極める。
がむしゃらに「何でもかんでも」仕事をこなして減らすのではなく、戦略的に取り掛かる仕事の量そのものを減らす。
基礎となる考え方「トレードオフ」
何かを選ぶことは、何かを捨てること、つまりはトレードオフ。
トレードオフから目をそむけても、トレードオフから逃れることはできない。
トレードオフが必要な状況で「どうすれば両方できるか?」と考えてしまうと、中途半端に片足ずつ突っ込んで、あれもこれも失うことになる。
そうではなく、トレードオフを理解する。
「どの問題を引き受けるか(どの問題を引き受けないか)」を考える。
そして、本当に重要なことは何かを正しく見極めて、自分で選択する。
どちらも捨てがたい選択肢の場合、それはタフな選択になる。
しかし、その選択を自分で引き受けなければ、仕事も人生も他人にすべて決められてしまう。