タイトル:スタンフォード式 最高の睡眠
著 者 :西野 精治
出版社 :サンマーク出版
発行日 :2017年3月5日
睡眠の重要性
睡眠によって得られる効果、睡眠が遂行する主なミッションは以下のとおり。
・脳と体に「休息」を与える
・「記憶」を整理して定着させる
・「ホルモンバランス」を調整する
・「免疫力」を上げて病気を遠ざける
・「脳の老廃物」をとる
どんな科学的な治療もできない脳や臓器のメンテナンスができる。
科学者や医者が何人集まってもできない体内リズムのバランス調節が整う。
それが睡眠である。
睡眠不足のリスク
寿命を縮める
アメリカの研究によると、死亡率が一番低いのは、7時間眠っている人たちだった。
彼らを基準にすると、それより短時間睡眠の人は「死亡率が1・3倍高い」という結果が出た。
※逆に長時間睡眠の人もリスクが高いことが判明している
生活習慣病のリスクを高める
睡眠が不十分であると、
・インスリンの分泌が悪くなり血糖値が高くなり、糖尿病を招く
・食べ過ぎを抑制する「レプチン」というホルモンが出ず、太る
・食欲を増す「グレリン」というホルモンが出るため、太る
・交感神経の緊張状態が続いて高血圧になる
・精神が不安定になり、うつ病、不安障害などの発症率が高くなる
などにより、生活習慣病のリスクが高まる。
認知症のリスクを高める
複数の研究において、睡眠負債や睡眠の質の低下があると、認知症にかかりやすくなる可能性があると報告がされている。
つまり、人生において睡眠は最強の味方であると同時に、敵に回してしまうと最悪な恐ろしい相手でもある。
黄金の90分
睡眠の問題を「時間」でコントロールするのは難しい。
従って、睡眠の「質」を最大限に高めることに重点を置くべきである。
寝ついた後、最初の90分間に訪れるノンレム睡眠は、睡眠全体のなかでもっとも深い眠りとなっている。
この「最初のノンレム睡眠」をいかに深くするかということが重要。
ここで深く眠ることができれば、その後の睡眠リズムも整うばかりか、自律神経やホルモンの働きも良くなり、翌日のパフォーマンスも上がる。
従って、理想どおりに睡眠時間を増やすことは不可能でも、眠り方を変えることで睡眠の質は高められる。
2つのスイッチ
眠りはじめの90分間を深くするためのスイッチは「体温」と「脳」。
1.体温のスイッチ
スムーズな入眠に際しては、深部体温(身体の内部の体温、日中高くて夜低い)と皮膚温度(手足の温度、日中低くて夜高い)の差が縮まっていることが鍵となる。
つまり、深部体温を下げること、皮膚温度を上げること、この2つが重要となる。
2.脳のスイッチ
脳が興奮していると体温が下がりにくくなるため、「脳のスイッチ」を適切に切っていくことで、眠り始めの乱れを防ぐことができる。
また、覚醒と睡眠は表裏一体であるため、「覚醒のスイッチ」をオンにして、日中のハイパフォーマンスを導ければ、「質の良い睡眠」がやってくる。